内閣府が発表したGDPの改定値が年率でマイナス7.1%ということで、これから日本はどのような経済状態になっていくのか不安に思われている方もいるでしょう。
このマイナス7.1%という数字がどのような意味を持つのか?速報値と改定値の違いやマイナスになった原因をご紹介していきたいと思います。
GDPマイナスの原因は消費増税
2019年10月に消費税増税が行われました。
安倍政権は消費税8%から10%に増税しましたね。
これは政府が考えている以上に非常に日本経済にダメージを与えました。
破壊的なダメージと言ってもいいでしょう。
その結果この消費増税の影響で2019年10月から12月期のGDPが速報値ではマイナス6.3%となりましたが、実際の改定値はマイナス7.1%と、さらに悪い結果になりました。
GDPの「測定値」と「改定値」は何が違うのか?
この「速報値」と「改定値」、なんで何で二つあるのか疑問に思われた方もいるでしょう。
そもそもGDPというのは、それ自体単独での数字ではないんですね。
たとえば生産量とか測ればわかる数字は一時的な数字ですが、GDPというのは2次的ないろんな数字を合わせて算出する2次統計なのです。
ですから、まず速報版を出してその次に正確な改定値を出すというプロセスを経ているわけです。
改定値というのは最終的な数字で、それが今回速報値より悪いわけですから、これは相当厳しい状況になるということなんですね。
では具体的に今回の消費増税の何が落ち込んでいるのか?
その中身を具体的に需要別にGDPを見てきたいと思います。
個人消費 | マイナス2.8% |
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住宅投資 | マイナス2.5% |
設備投資 | マイナス4.6% |
公共投資 | プラス0.7% |
まず個人消費がマイナス2.8%、住宅投資がマイナス2.5%、設備投資がマイナス4.6%、公共投資のみプラス0.7%という内訳になっています。
つまり個人消費の落ち込みと設備投資の落ち込みが大きかったということなんです。
要は企業がこれだけ消費増税したらモノが売れるわけないじゃないか、そしたら生産性を高める設備を良くする必要性がないから設備投資は控えよう…ということで一斉に設備投資を控えたという結果になったわけです。
個人消費が落ち込むよりも、さらに企業の投資心理が非常に悪くなっている状態です。
設備投資が4.6%も落ち込むって結構な落ち込み方です。
過去の数字を見ても個人だけでなく、企業も全く投資する気がなくなった…というわけです。
ここまで来ると、もうやはり減税していかないと相当厳しいと思われます。
減税していかないと消費も回復しないですし、設備投資をする気もならないわけです。
要は個人も企業も両者ともに懐を暖めてあげて投資する気にさせてあげなければなりません。
消費力を高めなければ、企業も設備投資する必要がないということになりますから、まず消費を喚起して設備投資をするように仕向けていくということが大事になるわけです。
GDPマイナスの原因はウィルスの影響ではない
ただし、これはあくまでも2019年10月から12月期の消費増税の影響の結果であって、ウイルスの影響は全くない時期の数字です。
ウイルスの影響があった2020年1月から3月期の数字は、さらに個人消費や企業の設備投資は下がった数字が出てくると予想できます。
ということは、2019年10月から12月だけでなく、2020年1月から3月期は本当に悲惨な 状態なる。
これで3月の下旬あたりにオリンピック委員会IOCから東京オリンピックを再検討する必要があるという通告が来ると、60日間以内に結論を出さなければならないわけです。
要は60日間以内に感染が収まっていなければ、オリンピックは自動的に中止になります。
そういう契約を日本とオリンピック委員会のIOCが契約しているわけです。
ですから、このままオリンピックがなければ2020年4月から6月も壊滅的で、オリンピックの開催時期である7月から9月も壊滅的という話になります。
2020年は本当にもう景気がどん底に落ちるという可能性があります。
この不景気の一番最初の発端は、この10月から12月期のGDPの改定値に現れている通りの消費増税だということです。
消費増税して経済の体力が完全に落ち込んでいた、そこにウィルスの影響で消費がストップし、インバウンドもストップした状態で設備投資もしなくなったという、もう経済は完全に負のスパイラルに入っています。
これを何とか逆回転して政府はテコ入れして逆回転にさせていかなければ負のスパイラルがどんどん加速していく、そういった状態になるというわけです。
そのくらいこのGDPの改定値マイナス7.1%というのは大きいんですね。
今回2019年10月から12月期は非常に酷い数字でしたが、2020年1月から3月期のGDPがどういう数字になるのか?これが非常に重要になってくると思いますので引き続き注視していきたいですね。