世界的な供給網の混乱、そして消費の落ち込みに 金融政策ではもはや対応は不能というお話をしたいと思います。
FRBの利下げも効果なく、金融政策では対応できない
FRBが緊急時作業したわけですが、結局米国株が急落して、実際には市場の沈静化には繋がらなかったですね。
一時期1000ドル近く下がったわけですが、利下げしても全く効果がなかったっていうことですね。
市場は利下げを織り込んでいたということもあって、市場からすれば「ようやくやったね、でもそれでは全然足らないよ！」と言われたようなものです。
ですから、利下げしても全く株価下げ止まりの効果はなかったわけです。
ダウ平均が落ちて、さらに日経平均株価も下落基調で1万9000円を割っている状態ですが、ダウも依然下げ基調にあるという状態です。
考えてみれば利下げは確かに重要なんですが、世界的な供給網の寸断で、グローバルサプライチェーンが崩壊しているわけです。
その中で日本だけでなく世界的にも消費が落ち込んでいるわけです。
イベントの中止は世界でも行われていますし、外出禁止によって消費をあまりしない、旅行者が増えないという、そういった状況でいくらに利下げしたところで やはり効果が限定的になってしまうということになります。
それが今回FRBの緊急利下げが結局失敗してしまったということを示してしまっているということです。
ウィルスの影響で金融政策では完全に限界がきた
アメリカの利下げと同時に日本は黒田総裁が潤沢な資金供給をしていくということで、日本はすでにマイナス金利になっているわけです。
マイナス0.1パーセントで更なるマイナス金利の深堀はなかなかしにくいということで、日銀は国債または上場投資信託 ETFの買い増しによって、株の下支え買い支えを行っていくということを言っているんです。
しかし、アメリカも金利を下げ、日本マイナス金利になっている。
つまり世界的に金利が非常に低い状態です。
先進国では長期金利1%割れの状態になっているわけです。
いくら金融政策をやっても、それは株価を下支えするには限界がありますし、市場が活性化していくことにもなかなか繋がらないような状態です。
金融政策では完全に限界がきた、そういったことがこのウィルス肺炎以後の金融政策の現状を見ていると、それが明らかになったように思います。
日銀も国債または上場投資信託のETFの買い増しによって株価を買い支えするということを言っているんですが限界があると思います。
どれだけ改善させるかだとは思いますが、その保有率を倍にするとか、そういったことをやっていかないといけないですし、一時的にマイナス金利を深掘りしていくマイナス0.1％を マイナス0.3 ％くらいにする。
そういった大胆な対策をやっていかないと厳しいと思います。
思い切った金融政策｜減税で対応するしかない
さらに金融政策にはいずれにせよ限界があるわけですから、政府は思い切った減税をすべきです。
日本では2019年10月に消費税が増税されて、それ以降の2019年10～12月の統計ではGDP がマイナス7.31％なわけです。
非常に景気が悪いなかで、そこにウィルス肺炎の影響が出てきたわけです。
これはまだ数字として具体的に出てきていないわけですよ。
これが5月くらいにGDP発表されるわけですが、おそらく相当悪い数字になると思われます。
1月はそれなりだったのですが2月から落ち始め、3月・4月と、こういった効果というのは景気が悪くなっていくときは消費が落ち込むと一か月とか効果がずれていくわけです。
5月に発表された時点で4・5月も相当悪いと思われます。
そういった中で政府は思い切った減税とホテル旅館またはその他中小企業全般に支援をしていかないと、本当に倒産や自主廃業が増えていくんじゃないかと思いますし、倒産は報道されますが実際は各地で自主廃業が多いんです。
経営がムリだということで自主廃業を決める、そういった会社やお店が増えていますのでとにかく政府には動いていただきたいと思います。
今ビジネスをされている方は、なかなかこの状況で新規の開拓は相当厳しいと思います。
消費も落ち込んでいますから、こういった時は特にリピート客を中心に対策を展開していってください。
常連客に丁寧に接触することによってリピート購入してもらう。
それで乗り切るしか今は方法がないのかなと思います。
また派手な広告を打っても、今はウィルスの絵一興で不謹慎だということで炎上したりする可能性もあります。
派手な広告宣伝は控えて、今は耐え忍ぶ実機と思ってなんとか生き延びていっていただければと思います。
